【サンプル】NEAR Protocol(ニア・プロトコル) XX点 / 12点満点
作成日:2023年7月6日

NEAR Protocolとは

NEAR Protocolは、革新的な分散型アプリ(Dapps)をどのブロックチェーン上でも簡単に作成・配布できるレイヤー1プロジェクトです。
このプロジェクトは、多くのエンジニアが使うJavaScriptという言語でスマートコントラクトを書ける機能を提供しており、開発者が新しいプログラミング言語を学ばなくてもいいようにしています。
NEAR Protocolの目標は、WEB3の世界へのアクセスを誰でも簡単にできるようにする環境を作り上げることです。
プロジェクト概要はコチラ
プロジェクト名 | NEAR Protocol |
分野 | レイヤー1 |
開発状況 | サービスリリース済み (Later) |
トークンティッカー | NEAR |
国内上場の有無 | 海外取引所のみ |
価格 | ¥191.15 |
時価総額 | ¥180,021,102,031 / 前月比 -1.9% |
時価総額ランキング | 39位 |
アドレス数 | 26,461,860 |
保有可能な主要ウォレット | Metamask, TrustWallet etc... |
上記データは2023/8/8の情報となります。
メンバーとパートナー(VC)評価 XX点 (4点満点)
メンバー
Co-Founder Alexander Skidanov氏
2008年に世界最高峰のプログラミング大会である『ACM ICPC』で金メダルを獲得した後、2009年にマイクロソフトでキャリアをスタートしました。2011年には、エンジニアとしてMemSQL(大量のデータをリアルタイムで処理することができる高性能のデータベースシステム)に参加し、ストレージ、シャーディング、データ耐久性などの機能の開発を担当しました。この経歴は、ブロックチェーン技術と大規模な分散システムを組み合わせるNear Protocolを作るための基盤となる能力です。
Co-Founder Illia Polosukhin氏
AIと深層学習の分野で高い技術力を持ち、Googleの重要な検索エンジン機能の開発チームを3年間リードしました。また、研究論文の著者としても活動。これらの経験がブロックチェーン技術のNear Protocolの創設に生かされ、分散型デジタル世界構築の実現に向けた重要なスキルとなっています。
関連プロジェクトとDAOについて

Near Protocolのエコシステムは年々発展しています。現在は750以上の活動的なプロジェクトと125のDAOが存在しており、多くのDappsやコミュニティを抱えるプロジェクトとなっています。これらの数値は、参加者の多様性と創造性、そしてブロックチェーン技術の可能性を象徴しています。
また、直近、NEAR Foundation が 中国の巨大企業であるAlibaba Cloud と提携というニュースが発表されており、既存の大手IT企業からも注目されていることが分かります。
資金調達について
NEAR Protocolの資金調達は、2018年~2022年の間に、a16z, Pantera Capital, Libertus Capitalから、合計5億3,370万ドルおよそ767億円の調達を行っています。下記、主な投資家(Backers)一覧となります。

評価ポイント(一部抜粋)
技術的なバックグラウンドが非常に強く、Skidanov氏のデータベースシステムや分散システムに対する深い理解、Polosukhin氏のAIと深層学習への洞察は、ブロックチェーン技術の発展に大いに貢献しているように見えます。資金調達額とその出資者(a16z, Pantera Capital, Libertus Capitalなど)は、プロジェクトへの市場からの強い信頼と期待を持たれていることを示しています。ただし、競合が多いLayer1分野では、さらに業界に特化した経歴を持っていることが望ましいとも言えますので、その点も踏まえ、XX/4点としています。
プロダクト評価 XX点 (4点満点)
NEAR Protocol 概要
NEAR Protocolは、ビットコインやイーサリアムのようなブロックチェーン技術ですが、スケーラビリティ(拡張性)とユーザーフレンドリーさに優れています。また、ユーザーアカウントの名前を英数字の羅列ではなく覚えやすい形式にするなど、初心者の方でも、より簡単に、仮想通貨で交流できるようなユーザー体験を提供します。
直近では、業界初となるBlockchain Operating System(BOS)を発表しています。
BOSは、さまざまなブロックチェーンとつながるオープンウェブのサービスを見つけたり使ったりするのを簡単にします。これにより、NEARはWeb3とWeb2を簡単に利用でき、ユーザーと開発者にとってのオープンウェブへの入り口となります。
NEARの開発は、2018年末にプロジェクトが開始され、2019年に複数のテスト ネットを実施した後、2020年4月にメインネットの展開を開始しました。
● NEAR Protocolについて
NEARは、トランザクション処理を複数のノードに分散することで効率を高めます。これを「シャーディング」と呼びます。また、Thresholded Proof of Stakeというコンセンサスメカニズムを利用して、様々な取引情報を管理しています。
● Nightshade Shardingについて
Nightshadeは、NEAR Protocolの独自のシャーディング手法です。このプロセスにより、システムはより多くのトランザクションを高速に処理でき、ネットワーク全体が効率的になり、大量の負荷に対処できます。
● Rainbow Bridgeについて
Rainbow Bridgeは、イーサリアムとNEARの間で資産を移動するための機能です。NEARの高パフォーマンスと低コストという利点を享受しながら、イーサリアムベースの資産も取扱いができます。
トークンの特徴
NEARトークンは、業界の時価総額TOP40にランクインしています。(2023年6月26日現在)
NEARの使用用途は、ネットワークのセキュリティを守るために行われるステーキング、取引を行うための手数料、開発方針などを決議する分散型ガバナンスの投票、そして通貨としてサービスの利用や売買です。
NEARの発行トークンの上限は10億で、供給に関してインフレーション型の発行方式(トークンが徐々に増える仕組み)を採用しています。※2023年7月6日現在、約9億3千万枚(93%)発行されております。
より多くのトークンが流通することで、市場の購買意欲を刺激します。しかし、一方で、トークン供給量が増えると、トークン1つあたりの価値が下がる可能性もあることに注意が必要です。
2023~24年ロードマップ
NEARプロトコルが2023年~24年の2年間でどのように進化するかを示すロードマップが公開されました。以下が主要な予定の要約となります。
● ユーザー体験と開発者体験の強化
NEARプロトコルの一部として、ユーザーや開発者の体験を改善するための機能が強化されます。例えば、iPhoneユーザーはアカウントを登録せずにNEAR上で作られたアプリケーションを自由に利用することができるようになる予定です。
● プロトコルのスケーラビリティと分散化の向上
NEARプロトコルの核心部分では、ネットワークのスケーラビリティ(規模拡大に対応する能力)と分散化を向上させるための大規模なアップデートが行われます。これには、シャーディング(データの部分的な分割や分散)の第2フェーズの開始が含まれます。このフェーズでは、ネットワークは100のシャード(データの一部)に拡大し、すべてのシャードを追跡するバリデータ(ネットワークの安全性を確認する役割)がいなくなる予定です。このフェーズ2は2023年中に予定されています。
● 動的なシャーディングの実装
2024年までのロードマップの一部として、シャーディングの第3フェーズが提供されます。このフェーズでは、需要に基づいてシャードの数が動的に調整されます。これにより、ネットワークはさらに大規模なデータ処理に対応できるようになるとされています。
これらのアップデートはNEARプロトコルをより使いやすく、よりスケーラブルなものにすることを目指しています。
評価ポイント(一部抜粋)
NEARのプロダクトは、高いスケーラビリティとBOSの導入など使いやすさも提供しており、今後も開発コミュニティ&ユーザー獲得などの成長の期待が持てます。ただし、イーサリアム、カルダノ、BNBChainなどの強力な競合がいる点や、シャーディングという技術の実装事例が少ないため、明確になってないセキュリティリスクや、技術的な課題があることも考慮しないといけない点も踏まえると、プロダクト全体としては評価はXX/4としています。
SNS等の影響力評価 XX点 (4点満点)

公式Twitterのフォロワー数は、約194.5万フォロワーです。業界の事業者、約351名、VC(84社)、インフルエンサー(133名)、エンジェル投資家(89名)ほどがフォローしています。このことから多くの業界関係者に注目されているアカウントであることがわかります。

公式サイト
分析ツールで調査したところ、5月のアクセス数は、140万アクセスほどでした。2月3月と比べても同様の数値を示しています。地域を見るとトルコが全体の約14.56%を占めています。その次に、アメリカ、ロシア、ウクライナ、イギリスと続いています。
評価ポイント(一部抜粋)
公式Twitterのフォロワー数も194.5万人を超え、日々のツイートのいいねやリツイート数を見るとフォロワー数に対していいねやリツイート数の割合は低くみえますが、3カ月前より固定した重要なツイートのアクセス数は、1,141万アクセスほどあり、非常に多くの方が目にしています。133名ものインフルエンサーや、351名の業界の事業者、133名のエンジェル投資家などフォロワーの質は非常に高いアカウントになることからXX/4点としています。
合計点 XX 点(12点満点)

◇リサーチ担当コメント
- NEAR Foundation が Alibaba Cloud と提携
NEAR Foundationは、アジアと中東のWeb3の成長を加速させる目的で、中国のテクノロジー巨人Alibaba Cloudと提携を発表しました。このニュースは、NEARが大手企業との関係を強化し、Web3エコシステムを拡大しようとしている証拠として、NEARの信用度を一層高めるものとなりました。
- 運営の分散化に関する課題あり
トークンの配布割合の大部分(およそ3割)がコアチームとその初期支援者に与えられ、ネットワークの決定を主導できてしまいます。また、ネットワークの投票と決定をするためには、大量のNEARを所有したバリデーターでなければいけません。これにより、ネットワークは少数の強力な参加者によって支配され、全体的な公平性が損なわれる可能性があります。
※注意点※
当ページ中のいかなる内容も将来の運用成果または投資収益を示唆あるいは保証するものではありません。最終的な投資決定はお客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。