Lesson1-5 なぜ会社のお金でビットコインを買うの?

3分でわかる!なぜ会社のお金でビットコインを買うの?
Lesson1-5_BTCを法人が備蓄する時代

こんにちは!前回は「国」がビットコインを買い始めたら…?という壮大なお話をしました。

今回は、もう少し身近な「会社」のお話。実は今、会社の「貯金」をビットコインに換える、という大胆な決断をする企業が、世界中で現れ始めているんです。

会社の大切なお金を、なぜわざわざビットコインに?その最先端を走る企業の事例から、未来の「お金の常識」をのぞいてみましょう。

🤔 会社の「貯金」も、ほっとくと減っちゃう?

会社には、将来の事業のために蓄えている「余剰資金(会社の貯金)」があります。

これまでは、このお金は銀行に預けておくのが一番安全で、当たり前でした。しかし最近、大きな問題が出てきます。それが、インフレ(お金の価値が下がること)です。

例えば、会社の貯金が1億円あっても、世の中のモノの値段がどんどん上がっていくと、その1億円で買えるものは年々少なくなっていきます。つまり、銀行にただ預けているだけでは、会社の資産は実質的に目減りしてしまうのです。

そこで、賢い経営者たちは考えました。「価値が下がっていく現金(円やドル)を持っているより、将来価値が上がると期待できる資産に換えておいた方が、会社のためになるんじゃないか?」

その新しい資産の預け先として、真っ先に注目されたのが「ビットコイン」だったのです。

🚀 世界で最初に動いたパイオニア企業

この「会社のビットコイン保有」という革命的な流れを作ったのが、アメリカの「マイクロストラテジー」という会社です。(現在はストラテジーに社名変更)

この会社のCEO(社長)は、非常に強い信念を持っていました。「ビットコインこそ、デジタル時代の最強の資産だ。価値が下がり続ける現金を持っているなんて、まるで溶けていく氷の上にいるようなものだ!」

そして2020年、会社の貯金のほとんどを次々とビットコインに換えていったのです。周りからは「無謀すぎる!」と大反対されましたが、彼は止まりませんでした。

結果、どうなったか?ビットコインの価格が大きく上昇したことで、この会社の資産は何倍にも膨れ上がり、株価も急騰。今では「世界一ビットコインを保有する会社」として、世界中から注目されています。

🇯🇵 日本にもいた!そっくり戦略の会社

「そんな大胆な会社は、アメリカだからあるんでしょ?」いえいえ、そんなことはありません。2024年、ついに日本でも、この戦略をそっくり真似する会社が現れました。それが「メタプラネット」社です。

メタプラネット社は、こう考えました。「今の日本は、円の価値がどんどん下がっている(円安)。会社の資産を日本円だけで持っているのは、むしろ危険だ」

そこで、会社の資産を円安から守るため、世界共通の価値を持つビットコインを「保険」として保有することを決めたのです。

このニュースは日本中に衝撃を与え、会社の株価は一時的に10倍以上も跳ね上がりました。日本でも、会社の資産を守る新しい選択肢として、ビットコインが真剣に考えられる時代が来たことを象徴する出来事でした。

📋 まとめ:会社の「ビットコイン買い」が意味すること

マイクロストラテジー社やメタプラネット社のような企業が、今後も増えていくかもしれません。

彼らの動きが私たちに教えてくれるのは、企業のビットコイン保有は、短期的な値上がりを狙った投機ではなく、「会社の資産を守る」という長期的な目的がある、ということです。

会社が「本気で」買い始めたビットコイン。それは、この新しい資産の信頼性が、社会全体で認められつつある何よりの証拠と言えるでしょう。この流れは、まだ始まったばかりです。


✅ おさらいチェックリスト(因果関係を考えてみよう)

  • [✓] なぜ会社の貯金(余剰資金)がインフレで目減りしてしまうのか? → 会社の貯金は銀行に預けておくのが従来の常識だった → しかし最近インフレ(お金の価値が下がること)が問題になっている → 世の中のモノの値段が上がっていくと、同じ金額で買えるものが年々少なくなる → だから銀行にただ預けているだけでは会社の資産は実質的に目減りしてしまう
  • [✓] なぜ賢い経営者は現金をビットコインに換えることを考えるのか? → 価値が下がり続ける現金(円やドル)を持っているより、将来価値が上がると期待できる資産に換えた方が会社のためになる → その新しい資産の預け先として真っ先に注目されたのがビットコイン → だから「溶けていく氷の上にいるようなもの」から脱却するための戦略としてビットコインを選択
  • [✓] なぜマイクロストラテジー社が世界で最初に動いたのか? → 同社のCEOが「ビットコインこそデジタル時代の最強の資産だ」という強い信念を持っていた → 2020年に会社の貯金のほとんどを次々とビットコインに換えていった → 周りから「無謀すぎる!」と大反対されたが止まらなかった → だから世界で最初のパイオニア企業として注目されることになった
  • [✓] なぜメタプラネット社が日本で衝撃を与えたのか? → 2024年に日本で初めて同じ戦略を取る会社が現れた → 円の価値がどんどん下がっている(円安)状況で、会社の資産を円安から守るためビットコインを「保険」として保有することを決めた → このニュースは日本中に衝撃を与え、株価は一時的に10倍以上も跳ね上がった → だから日本でも会社の資産を守る新しい選択肢としてビットコインが真剣に考えられる時代が来たことを象徴する出来事
  • [✓] なぜ企業のビットコイン保有は投機ではなく資産防衛なのか? → 短期的な値上がりを狙った投機ではなく「会社の資産を守る」という長期的な目的がある → インフレや円安から会社の資産を守るための保険としての役割 → 会社が「本気で」買い始めたビットコインは、この新しい資産の信頼性が社会全体で認められつつある証拠 → だからこの流れはまだ始まったばかりで、今後も増えていく可能性がある

これらの出来事が連鎖することで、「個人投資」から「企業の資産戦略」への大転換が起こり、ビットコインが企業の財務戦略の重要な要素として認知されるようになったのです。


🎯 次回予告:暗号資産の世界の「全体地図」を眺めてみよう

会社がビットコインを買い始めるという身近な動きは理解できましたが、「でも、暗号資産の世界って他にも色々あるんでしょ?DeFiとかNFTとか、ニュースで聞くけどよく分からない…」と思っていませんか?

実は、暗号資産の世界は、私たちの普段の生活と同じように「買う・送る・増やす・借りる・遊ぶ」という5つの場面で成り立っています。そして、この世界は「土地(基盤チェーン)・インフラ・お店(アプリ)」という3つの層で構成されているのです。

次回は、この暗号資産の世界全体を「業界地図」として眺めて、ニュースで聞く様々な用語がどこに位置するのかを整理してみましょう。この地図を頭に入れておくだけで、複雑に見える暗号資産のニュースも、どの部分の話をしているのかが整理しやすくなります。

※注意点※
当ページ中のいかなる内容も将来の運用成果または投資収益を示唆あるいは保証するものではありません。最終的な投資決定はお客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。