Lesson3-1 取引所開設の事前準備チェックリスト

こんにちは!これまでの講座で、暗号資産の世界を探検するための「地図」と「お財布(ウォレット)」の概念、そして各領域の成熟度について学びました。いよいよ、冒険の第一歩を踏み出す準備が整ってきましたね。
次のステップは、実際に暗号資産を買うための入り口となる「国内取引所」の口座を開設することです。
「なんだか手続きが面倒くさそう…」と感じるかもしれませんが、ご安心ください。実は、口座開設のプロセスで最も重要なのは、事前の準備です。必要なものをあらかじめ手元に揃えておけば、実際の作業は驚くほどスムーズに進みます。
今回は、本格的な申し込み作業に入る前に、絶対に必要になるものと、確認しておくべきポイントを、チェックリスト形式で分かりやすく解説します。「準備が8割、作業が2割」の気持ちで、リラックスして進めていきましょう。
1. 道具をそろえるだけで半分終了
まずは、口座開設の申し込みに必須となる「3種の神器」を手元にご用意ください。これさえあれば、もう作業の半分は終わったようなものです。

【口座開設3種の神器】
- スマートフォン
本人確認の撮影や、セキュリティ設定(2段階認証)で使用します。パソコンでも申し込みは可能ですが、最近はスマホアプリで完結する取引所がほとんどで、こちらの方が簡単です。
- 本人確認書類
運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなどが一般的です。顔写真付きのもので、もちろん有効期限内のものをご用意ください。この後、スマホで撮影することになります。
- メールアドレス
取引所からの連絡や、ログイン時のIDとして使用します。普段お使いのもので構いませんが、セキュリティのために、推測されにくいパスワードを設定しておくことをお勧めします。GmailやYahoo!メールなどのフリーメールで大丈夫です。
いかがでしょうか。どれも、すでにお持ちのものばかりですよね。これらを、すぐに取り出せる場所に置いておきましょう。
2. スマホ設定3カ所を今すぐ確認
次に、スムーズな手続きのために、お使いのスマートフォンの設定を3ヶ所だけ確認しておきましょう。ここでつまずく方が意外と多いので、先にチェックしておくと安心です。
- [✓] OSのバージョンは最新か? スマートフォンの基本ソフト(iPhoneならiOS、その他ならAndroid)が、最新の状態にアップデートされているか確認しましょう。バージョンが古いと、取引所のアプリが正しく動作しない場合があります。「設定」アプリから簡単に確認・更新できます。
- [✓] カメラのアクセス許可はOKか? 本人確認では、スマートフォンのカメラで自分の顔や本人確認書類を撮影します。ブラウザや、これからインストールする取引所のアプリに対して、カメラへのアクセスを許可する設定になっているか確認しておきましょう。
- [✓] Wi-Fi・通信環境は安定しているか? 申し込みの途中でインターネット接続が切れてしまうと、最初からやり直し…ということにもなりかねません。Wi-Fi環境が安定している場所や、電波の良い場所で作業を始めるようにしましょう。
3. 本人確認書類――撮影のコツと注意点
口座開設のプロセスで、最も重要なのが「本人確認(eKYC)」です。これは、法律で定められた手続きで、スマートフォンのカメラを使って、①本人確認書類の撮影 と ②ご自身の顔写真の撮影 を行います。
ここで撮影に失敗して、再提出を求められるケースが非常に多いです。以下のコツを頭に入れておくだけで、一発で承認される確率がぐっと高まります。
【撮影成功のコツ】
- 明るい場所で撮影する:書類の文字や顔がはっきり見えるように、日中の明るい室内などがベストです。
- ピントをしっかり合わせる:ぼやけているとNGです。画面をタップして、ピントを合わせてから撮影しましょう。
- 書類全体がフレームに収まるように:書類の角が切れたり、指で文字が隠れたりしないように注意してください。
- 光の反射を避ける:免許証などの表面が、照明や光で反射して白飛びしないように、少し角度を工夫しましょう。
- 背景はシンプルに:ご自身の顔を撮影する際は、後ろに余計なものが映り込まない、壁などを背景にするのがお勧めです。
4. よくある失敗例と即リカバー法
それでも、もし承認されずに差し戻しの連絡が来てしまっても、慌てる必要はありません。よくある失敗のパターンを知っておけば、すぐに対処できます。
- 失敗例1:写真が不鮮明
原因:暗い、ピンボケ、手ブレ。
対策:もう一度、明るい場所で、スマホをしっかり固定して撮り直しましょう。 - 失敗例2:書類の情報が隠れている
原因:指で文字が隠れている、書類の端が切れている。
対策:書類を机の上に置き、真上から撮影すると、全体が綺麗に収まります。 - 失敗例3:入力した住所と、書類の住所が違う
原因:引っ越し後に、免許証の住所変更をしていない。
対策:申し込み前、あるいは再提出の前に、警察署などで裏面の記載を変更してもらいましょう。
差し戻しのメールには、必ず理由が書かれています。その指示に従って、落ち着いて修正すれば大丈夫です。
5. まとめ:準備8割、作業2割でラクになる
今回は、取引所の口座開設に向けた「事前準備」に焦点を当てました。
- [✓] 3種の神器(スマホ、本人確認書類、メアド)を揃える。
- [✓] スマホの設定(OS、カメラ、通信)を確認する。
- [✓] 書類の撮影は「明るく、はっきり、全体を」が合言葉。
これらの準備さえ整っていれば、実際の申し込み作業は、画面の指示に従って入力していくだけの、簡単な流れ作業です。おそらく10分もかからずに完了するでしょう。
面倒なことは先に済ませて、心に余裕を持って、次のステップに進みましょう。次回は、いよいよ、この準備した道具を使って、実際にスマートフォンで口座を開設し、最も重要なセキュリティ設定である「2段階認証」を行う手順を、具体的に解説していきます。
✅ おさらいチェックリスト(因果関係を考えてみよう)
- [✓] なぜ事前準備が重要なのか? → 申込時のつまずきを減らせる → 再入力や差し戻しを防ぐ → 全体時間を短縮できる
- [✓] なぜ「3種の神器(スマホ・本人確認書類・メール)」が必要なのか? → eKYC撮影と2FA設定に必須 → その場で手続き完了 → 当日中の審査通過に近づく
- [✓] なぜスマホ設定(OS・カメラ・通信)を先に確認するのか? → 途中中断やアプリ不具合を避ける → 撮影や認証がスムーズ → 差し戻しリスクを下げる
- [✓] なぜ撮影のコツを意識するのか? → ピンボケ/反射/切れを防ぐ → 読み取り精度が上がる → 一発承認の確率が高まる
- [✓] なぜ住所一致が重要なのか? → 記載不一致は典型的な差し戻し要因 → 事前修正で再提出を回避 → 手続きの確実性が上がる
🎯 次回予告:スマホ5分で口座開設&2FA設定──セキュリティは最初が肝心
次回は、公式アプリのダウンロードからeKYC、そして最重要の2段階認証(認証アプリ連携)までを、画面イメージに沿って短時間で完了させる手順を解説します。審査待ちの間に安全性を一気に高めるコツもご紹介します。
分かりやすかったですか?
※注意点※
当ページ中のいかなる内容も将来の運用成果または投資収益を示唆あるいは保証するものではありません。最終的な投資決定はお客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。