Polkadot（ポルカドット）?点 / 12点満点
作成日：2024/06/14
Polkadot（ポルカドット）とは
Web3.0時代のマルチチェーンソリューション『Polkadot』
Polkadotは、異なるブロックチェーン同士が情報や価値を交換できるようにする次世代のブロックチェーンプロジェクトです。
複数のブロックチェーンプロジェクトを成功させた実績を持つ、Web3財団の支援を受けており、複数のチェーンが同時に動作する「マルチチェーンアーキテクチャ」を採用しています。
これにより、安全性やスケーラビリティを向上させ、分散化されたアプリケーションやプロジェクトが効率的に動く環境を提供します。
トークン情報
| プロジェクト名 | Polkadot |
| 分野 | Platform |
| 開発状況 | トークン発行済み、サービスリリース済み(Later) |
| トークンティッカー | DOT |
| 国内上場の有無 | 日本取引所(bitFlyer, Bitbank, Bitpoint, Coincheck etc…) 海外取引所(Binance, Coinbase Exchange, OKX, Bybit etc…) |
| 価格 | ¥904.75 |
| 時価総額 | ¥1,301,156,581,999 |
| 時価総額ランキング | 15位 |
| アドレス数 | — |
| 保有可能な主要ウォレット | MetaMask, TrustWallet, Binance Chain Wallet, Ledger, etc. |
上記データは2024/06/21の情報となります。
メンバーとパートナー(VC) ? 点(4点満点)
創設者について
PolkadotはGavin Wood氏によって創設されました。彼はイギリス出身のコンピューターサイエンティストであり、Ethereumの共同創設者としても知られています。同氏は、スマートコントラクトのためのプログラミング言語「Solidity」の提案と開発を行い、Ethereum Virtual Machine（EVM）の定義も担当しました。
また、2014年には「Web 3.0」という概念を提唱しました。2016年にEthereum Foundationを退職後、Parity Technologiesを設立し、Polkadotの開発を主導しています。彼のビジョンは、ブロックチェーン技術を通じて分散型インターネットの実現を目指すものです
開発チームについて
Polkadotの開発は、Web3財団とParity Technologiesの協力により進められています。Web3財団は、分散型インターネットの実現を目指して設立された非営利組織で、資金提供や研究開発を支援しています。Parity Technologiesは、Gavin Wood氏とJutta Steiner氏によって設立され、ブロックチェーンの基盤技術を開発する企業です。
開発チームには、ブロックチェーン、分散システム、暗号技術の専門家が集結しており、ETH ZurichやInria Parisなどの研究機関と連携しています。これらのチームが協力し、Polkadotの技術的進歩とエコシステムの発展を推進しています。
パートナーシップについて
Polkadotは、エコシステムの拡大と技術革新を推進するために、様々なパートナーシップを結んでいます。主要な提携先には、ブロックチェーンプロジェクトや企業、開発コミュニティが含まれます。ブロックチェーンプロジェクトとしては、DeFiプロトコルのAcalaやEthereum互換プラットフォームのMoonbeamと協力し、DeFiエコシステムの強化やクロスチェーンの相互運用性を実現しています。KusamaはPolkadotの実験ネットワークとして、新しい技術やアイデアの試験場となっています。
開発コミュニティとの協力も積極的に行われており、Substrateを使用して独自のブロックチェーンを構築する自由と柔軟性を提供しています。また、開発者向けのハッカソンや技術ワークショップを開催し、技術理解の促進に努めています。Polkadotの戦略的パートナーシップは、エコシステムの成長と技術革新を促進し、将来のDeFiとブロックチェーン技術の発展に重要な役割を果たしています。
資金調達について
Polkadotは、2020年7月29日に行われた戦略的資金調達ラウンドで4,370万ドルを調達し、エコシステムと技術基盤の強化を目指しています。有名なVCとしては、HashKey Capital、Pantera Capital、IOSG Ventures、Shima Capital、Fabric Ventures、Bitscale Capital、1confirmation、Mapleblock Capital、Fifth Era、Placeholder Venturesが参加しており、特にIOSG VenturesとPlaceholder Venturesはリード投資家として重要な役割を果たしています。
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プロダクト評価 ? 点(4点満点)
◆トークンの使用用途(ユーティリティ)
Polkadotにより発行されているトークンDOTは、以下のように使用することができます。
● ネットワークのガバナンス
● ステーキングによるネットワークのセキュリティ強化
● パラチェーンスロットの取得
◆Polkadotの構成要素
Polkadotは、ブロックチェーンネットワークの新しい形を提案するプロジェクトです。ネットワークの中核となる「リレーチェーン」、リレーチェーンに接続される「パラチェーン」、そして外部チェーンとの連携を可能にする「ブリッジ」の3つの主要な構成要素があります。
1. リレーチェーン
リレーチェーンは、Polkadotの中心に位置するメインチェーンです。リレーチェーンの役割は、ネットワーク全体のセキュリティを維持し、各パラチェーンの間でのデータ交換や相互運用性を保証することです。
リレーチェーンは、スマートコントラクトをサポートしていません。主にガバナンス、パラチェーンオークション、コンセンサス形成といったネットワーク全体に関わる機能のみを提供します。
2. パラチェーン
パラチェーンは、リレーチェーンに接続されたシャードチェーン（個別に並列処理を行うチェーン）です。これにより、複数のパラチェーンが同時に取引を処理することができ、ネットワーク全体の処理能力を向上させます。
各パラチェーンは独自のトークンや経済圏を持つことができ、特定のユースケースに特化した設計も可能です。ただし、パラチェーンのセキュリティはリレーチェーンによって提供されるため、個別のPoS（Proof of Stake）やPoW（Proof of Work）を持つ必要はありません。
パラチェーンがリレーチェーンに接続されるには、オークションでスロットを獲得する必要があります。このオークションにはPolkadotのネイティブトークンであるDOTが使用されます。スロットを獲得したパラチェーンは、その期間中DOTをロックします。
3. ブリッジ
ブリッジは、Polkadotネットワークを外部のブロックチェーン（例えば、EthereumやBitcoin）と接続するための技術です。これにより、異なるブロックチェーン間でのデータ交換や相互運用が可能になります。
ブリッジを介して接続された外部チェーンは、独自のセキュリティとコンセンサスメカニズムを持つため、Polkadotのリレーチェーンのセキュリティプールには含まれません。しかし、これにより様々なチェーンと柔軟に連携することができます。
基本構造に関するまとめ
Polkadotの基本構造は、リレーチェーンを中心にパラチェーンとブリッジが連携することで成り立っています。リレーチェーンはネットワークの中核としてセキュリティや相互運用性を提供し、パラチェーンは並列処理に特化した機能を持ち、ブリッジは外部チェーンとの連携を可能にします。これにより、Polkadotは柔軟で拡張性のあるブロックチェーンネットワークを実現しています。
Polkadot 2.0への移行
2023年に発表されたPolkadot 2.0では、従来のパラチェーンスロットオークションモデルから、コアタイム（Core Time）マーケットプレイスモデルへの移行が行われます。これにより、ブロックスペースが必要に応じて柔軟に利用できるようになります。
ブロックスペースの再分配：Polkadot1.0では、各パラチェーンが常に実行コアを保持していましたが、Polkadot 2.0では全てのコアをリソースとして扱い、必要なときに利用できるようにします。
アプリケーションに焦点を当てたエコシステム：各パラチェーンがリソースを独占するのではなく、アプリケーションごとにブロックスペースを購入・予約できるようになります。これにより、リソースの効率的な利用が可能となります。
◆Polkadotのアップグレード: JAMモデルについて
2024年4月に発表されたJAMとは、Polkadotのリレーチェーンのアーキテクチャを再構築し、スケーラビリティと柔軟性を向上させる新しいアプローチです。
JAMが提供する新機能
＜スケーラビリティと効率化を促進させる機能＞
- 分散技術スタックの抽象化
概要: システム全体の構成要素を細分化し、それらを独立して動かす技術。
メリット: 異なるプログラムやサービスを同時に実行できるようになり、システムの効率が大幅に向上。
- サーバーレスアプリケーション
概要: サーバーの設定や管理を不要にし、クラウド上で自動的に動作する仕組み。
メリット: 開発者はインフラ管理から解放され、ビジネスロジックの実装に集中できる。これにより、開発スピードが向上し、効率的なシステム運用が実現。
＜セキュリティと運用効率を促進させる機能＞
- 同期メッセージング機能
概要: 異なるシステム間で直接的にデータをやり取りできる仕組み。
メリット: リアルタイムな情報交換が可能になり、システムの相互運用性が向上。結果として、運用の効率が高まり、迅速な対応が可能。
＜コスト効率と柔軟性を促進させる重要な機能：チェーンレス分散アプリケーション（Chainless Dapps）＞
概要: チェーンレス分散アプリケーションは、ブロックチェーンに依存せずに計算タスクを実行できる分散型アプリケーションを指します。
メリット: これにより、開発者は特定のブロックチェーンの制約を受けずに、柔軟で独自性の高いアプリケーションを構築することが可能になります。これにより、イノベーションが促進され、異なるユースケースに対応するアプリケーションを迅速に展開できます。
＜コスト削減とスケーラビリティ＞
概要: 必要なときにのみリソースを利用するサーバーレス技術は、オンデマンドでリソースを提供するため、常に稼働しているサーバーの維持コストを削減します。
メリット: トラフィックの増減に応じてリソースが自動的に調整されるため、無駄なコストが発生せず、効率的な運用が可能です。これにより、特にコストを重視する中小企業やスタートアップにとって、運用コストを大幅に削減しつつ高スケーラビリティを実現することができます。
まとめ
JAMの導入により、Polkadotのリレーチェーンアーキテクチャはスケーラビリティ、効率化、コスト効率、柔軟性など多くの面で強化されます。特に、チェーンレス分散アプリケーションとサーバーレス技術によるコスト削減とスケーラビリティは、開発者や企業に大きなメリットをもたらします。これにより、リレーチェーンが強化され、パラチェーンで開発された独自のチェーンやDappsがより活発に機能します。開発者や企業は、効率的で強力なプラットフォームを活用して、迅速に新しいアプリケーションを展開し、運用の負担を軽減しながら高いパフォーマンスを実現できます。
◆トークンアロケーション
2020年5月26日に公式に発行されたDOTは、エコシステムを構築し、分散型インターネットの基盤としての役割を果たすために設計されています。プライベートセール（3.4％）やSAFT投資家（5％）に割り当てられたトークンは、初期の資金調達を支えました。オークション投資家向けの50%は、ネットワークの分散性と参加者の多様性を確保するために使用され、将来に控えるセール分としての11.58%は、プロジェクトの長期的な成長と開発資金として活用されます。最後に、Web3財団には30%が割り当てられ、技術開発やエコシステムのサポートに充てられています。これらのアロケーションにより、Polkadotは持続的な発展と拡大を目指しています。
◇ リサーチ担当のコメント
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※注意点※
当ページ中のいかなる内容も将来の運用成果または投資収益を示唆あるいは保証するものではありません。最終的な投資決定はお客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。
