【サンプル】アービトラム(Arbitrum)〇点 / 12点満点

作成日:2023年3月30日



アービトラム(Arbitrum)とは

イーサリアムをより使いやすく!

Arbitrum(アービトラム)は、Ethereumの性能をアップさせるためのレイヤー2ソリューションとなります。2021年8月よりメインネットをローンチ以降、Ethereumの取引性能をアップさせる分野でシェアナンバー1を取っているプロジェクトとなります。2023年3月21日現在、5,000億円ほどの金額が本プロジェクトで取り扱われています。

開発会社は、Offchain Labs といい、160億円ほどの資金調達を行っている企業となります。

イーサリアムの問題解決!

Ethereumは、一度に多くの取引を処理するという点において、技術的な課題を抱えています。その課題を解決するための対策としてレイヤー2に注目が集まっています。レイヤー2とは、Ethereumの高水準なネットワークセキュリティの上に、レイヤー2として独自のネットワーク(回線)で取引を可能にし、セキュリティレベルを担保したまま、多くの取引を瞬時に処理できる高速なネットワークを構築することができます。

メンバーとパートナー(VC)評価 〇点 (4点満点)

メンバー

Arbitrum(アービトラム)の開発チームであるOffchain Labsは、プリンストン大学のコンピュターサイエンスと公共問題の教授であるEd Felton氏、Steven Goldfeder氏、Harry Kalodner氏によって2018年に共同設立されました。三人ともブロックチェーンの専門家で、仮想通貨をより高性能にすることに情熱を注いでいます。その中でもEd Felton氏の経歴が目立ちます

Ed Felton氏

2015~2017年にかけてホワイトハウスで、副最高技術責任者兼大統領上級顧問を務めていた実績を持ちます。

ベンチャ―キャピタル

Offchain Labsは創業以来、Coinbase Ventures、Pantera、Blocknation,Compoundから大型の投資を受けています。 2021年の12月ごろには、Lightspeed Venture Partnersが主導するシリーズB資金調達ラウンドで、合計1億2000万ドルを調達したことを発表しました。これにより、同社の評価額は12億ドルに達しています。

プロダクト評価 〇点 (4点満点)

開発実績

2021年8月31日

ARBITRUM ONE メインネットリリース

限定的なリリースの際に利用されたホワイトリストが削除され、ネットワークと取引できる人に制限はなくなりました。

◇2022 年 6 月 21 日~ 6 月 29 日

Odyssey キャンペーンイベントのリリース

新規ユーザーをオンボーディングするためのインセンティブ プログラムが開始されました。

ただし、チェーンに大きな負荷がかかったため、オデッセイ プログラムは一時停止しております。

◇2022年8月31日

「Nitro」 アップグレード

アップグレードが予定通り実行され、機能が向上し、取引手数料の削減に成功しています。

◇2023年1月7日

「Arbitrum Nova」 アップグレード

Arbitrum OneはDeFi(分散型金融)プロトコルやNFTでの利用に適している一方で、Arbitrum Novaはブロックチェーンゲームとソーシャルアプリでの利用に特化しています。こちらのアップグレードでより高速かつ低コストなトランザクション処理が可能になりました。

◇2023年3月23日

ARB トークンのエアドロップ

Arbitrum DAOのガバナンストークンとしてARBトークンをリリースしました。

DAO化について

Arbitrumはこれまで、開発元のOffchain Labsによって運営されていました。しかし、2023年3月16日に開発を支援する「Arbitrum Foundation」から、DAO(分散型自律組織)による運営に移行することが発表されました。

また、DAOへの運営移行に合わせて、ガバナンストークンのARBが発行されることなりました。DAOの名称はArbitrum DAOであり、ARBの保有者はDAOでの投票によって、Arbitrum OneとArbitrum Novaの運営に関わる意思決定に参加することができます。

Layer2プロジェクトとしての実績

Ethereum上のレイヤー2分野において、取引情報が公開されています。Arbitrumは既に、5,000億円ほどの金額を取り扱っている実績があるプロジェクトです。

Total Value Lockedとは、プロジェクトにどの程度の資産(トークン)がロック(ブロックチェーン上で保管)されているかを表す数値となります。その数値が高ければ高いほど、そのプロジェクトが利用されていることを表しその分プロジェクトの価値があると評価されます。

また、上記画像は、Ethereumのネットワーク上で管理されているトークンの数値となります。

Arbitrumのサービス名であるArbitrum Oneは、55.97%のシェアを獲得しており、同ネットワーク上の過半数を超えるシェアを持っているプロジェクトという実績を持ちます。

SNS等の影響力評価 〇点 (4点満点)

Twiter

公式Twitterのフォロワー数は、65.9万 フォロワーです。多くの事業創設者(おおよそ570名)やインフルエンサー(おおよそ214名)がフォローしており、業界内でも非常に注目度の高いSNSアカウントと言えるでしょう。

公式サイト

Arbitrumの公式HPのアクセス数を分析ツールにて調査したところ、直近の1カ月で57万ほどのアクセス数を集めておりこちらも注目度が高いサイトとなります。

また、アクセスが集中している地域は、上からアメリカ、ポーランド、ベトナム、トルコ、イギリスとなっており、アメリカとヨーロッパで注目度が高いプロジェクトとなります。

合計点 〇点(12点満点)

◇レイヤー2で人気No.1!

イーサリアムが昨年プルーフオブステークに移行して以降も注目度が高い分野がレイヤー2です。その分野のナンバー1の実績を取っている本プロジェクトについては、開発者の中でも2023年、最も注目すべきプロジェクトの1つと言えるでしょう。

◇トークン発行で投資家の注目集める!

また、本プロジェクトは、実績があるにもかかわらず、2023年3月上旬までにトークンを発行していませんでした。しかし、2023年3月16日、ブログにてトークンに関する情報が解禁され、同年3/20に、Binanceへの上場が発表され、多くの投資家からも注目を集めている状況となります。

◇ユーザー重視のトークン配分

トークンの配布情報についても、50%以上が、ユーザーのために利用されるような設計となっており、運営チームや一部の投資家は、4年間のロックアップが約束されています。そのため、上場後短期的に運営チームが保有するトークンからの売り圧を気にする必要がない点も、ポジティブな要素になりそうです。

◇新技術の競争

レイヤー2分野の技術として、一般的に、Optimistic Rollupとzk Rollupどちらかの技術を用いております。Arbitrumは前者の技術を用いており、後者の技術を用いたプロジェクトが今後台頭し、上記2つの技術的な良し悪しの判断が後者に傾くことも考えられます。そうなればArbitrumよりも、zk Rollupを使っているプロジェクトに人が流れる可能性があります。そのため、注意しながら業界の動向を観察していく必要があるでしょう。

※注意点※
当ページ中のいかなる内容も将来の運用成果または投資収益を示唆あるいは保証するものではありません。最終的な投資決定はお客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。